お熊んさまの大銀杏
どんな伝承か
川口市前川の伊田家の屋敷内に、通りに面して銀杏の老樹がそびえている。その根元に「お熊んさま」(熊野社)を祀っていたことから、お熊んさまの銀杏の木といった。何百年も前のこと、白の浄衣に身を固めた旅の比丘尼がこの村までたどり着き、伊田家の門前に腰をおろして休んでいると、ちょうど昼どきだったので家の人が昼飯と茶を振る舞った。比丘尼は何度も礼を言って立ち去ったが、その場に突いてきた杖を置き忘れていった。そのままにしておくと杖は根付いて芽を出し、年々成長して今日の大銀杏になったと伝える。幹には乳房のような瘤がいくつも垂れ、削って煎じて飲むと乳の出がよくなるという。
原典より
前川の伊田一政氏の屋敷内、通りに面して銀杏の老樹がそびえている。—— 川口市史 民俗編――伝説(川口市(編)・川口市史・自治体史(民俗)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
川口市史 民俗編――伝説(川口市(編)・川口市史・自治体史(民俗))
『川口市史 民俗編』第4章所収の伝説。埼玉県川口市に伝わる自然・神社・地蔵・観音・薬師の伝説と命名由来を採録する。