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比丘尼の杖から育った乳の出る銀杏

所在地埼玉県川口市前川(お熊んさま)
年代何百年も前
登場旅の比丘尼
出典川口市史 民俗編――伝説

どんな伝承か

川口市前川の伊田家の屋敷内に、通りに面して銀杏の老樹がそびえている。その根元に「お熊んさま」(熊野社)を祀っていたことから、お熊んさまの銀杏の木といった。何百年も前のこと、白の浄衣に身を固めた旅の比丘尼がこの村までたどり着き、伊田家の門前に腰をおろして休んでいると、ちょうど昼どきだったので家の人が昼飯と茶を振る舞った。比丘尼は何度も礼を言って立ち去ったが、その場に突いてきた杖を置き忘れていった。そのままにしておくと杖は根付いて芽を出し、年々成長して今日の大銀杏になったと伝える。幹には乳房のような瘤がいくつも垂れ、削って煎じて飲むと乳の出がよくなるという。

原典より

前川の伊田一政氏の屋敷内、通りに面して銀杏の老樹がそびえている。—— 川口市史 民俗編――伝説(川口市(編)・川口市史) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

川口市史 民俗編――伝説(川口市(編)・川口市史)

『川口市史 民俗編――伝説』は、川口市が編んだ市史民俗編のうち、第四章「伝説」を収めたものである。六兵塚や首塚などの塚、山・池沼・樹木にまつわる話、八百比丘尼の椿、神社・地蔵・観音・薬師の霊験、地名の由来、正月の餅を搗かない家例や蛇まつり、川口の鋳物の始まりなどを、地内の地名や家名とともに記す。自然伝説、信仰伝説、歴史伝説の三節に分け、節の中を塚・山・池沼などの項に立てる。

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