竜宮の土産の人魚を食べた娘
どんな伝承か
羽茂町の大石で村の衆が庚申待の講をしていると、見知らぬ若者が顔を出した。気のいい宿の主が酒を振る舞うと、若者は次は自分の所へ来てほしい、講の日に浜で待てば舟で迎えると言い残して帰った。約束の日、浜へ出た主は目隠しをされて舟に乗せられ、竜宮のような御殿に着く。厠へ立つ折に勝手場を覗くと、腰から下が魚の女の子をまな板に載せて料理していた。気味が悪くて箸をつけずにいると、土産にその肉を持たされる。家の棚に置いた包みを娘が知らずに食べ、娘は八十になっても若いまま、比丘尼となって若狭に住み八百歳で往生したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第3巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第3巻』は、山形・福島・新潟の三県に伝わる伝説を集めた叢書『日本伝説大系』の一巻である。湖水の干拓、鮭の大助、八百比丘尼、弥三郎婆、安達ヶ原の鬼婆、産女、雪女房、河童などの話のほか、松・杉・石・池・清水・温泉・長者にまつわる伝説を、口承資料を主に採っている。全体は「文化叙事伝説」と「自然説明伝説」に分かれ、各項目は例話と伝承地を掲げ、〔類話〕〔文献〕〔参考〕で近世以後の史料や県外の類例を補う。