一つ目の怪鳥と四月八日の目籠
どんな伝承か
申・巳・寅歳生まれの者が一つ家に三人そろうと円満にいかないといい、西新井宿ではこれを四月八日のメカゴ(目籠)の由来と結びつけて伝える。昔、殿さまが捜し出して側に仕えさせた三人の美女は、それぞれ業の申・業の巳・業の寅の生まれであった。三人に仕度させた旅では行く先々で賊に襲われ、奥方に仕度させた旅は無事だったので、原因は三人にあるとして石堂に閉じ込め、四月八日に焼き殺した。夜桜見物に出た殿さま一行に奇妙な鳥がつきまとい、天守閣に止まった。射落とさせると、頭が猿・背中が寅・尾が蛇の一つ目の鳥であった。以来四月八日には一つ目の怪物が横行するといい、竹棹の先に目籠を付けて屋根に立てるようになったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
川口市史 民俗編――伝説(川口市(編)・川口市史)
『川口市史 民俗編――伝説』は、川口市が編んだ市史民俗編のうち、第四章「伝説」を収めたものである。六兵塚や首塚などの塚、山・池沼・樹木にまつわる話、八百比丘尼の椿、神社・地蔵・観音・薬師の霊験、地名の由来、正月の餅を搗かない家例や蛇まつり、川口の鋳物の始まりなどを、地内の地名や家名とともに記す。自然伝説、信仰伝説、歴史伝説の三節に分け、節の中を塚・山・池沼などの項に立てる。