禁忌の俗信
どんな伝承か
神奈川県平塚市で採録された俗信のうち、予兆と禁忌に関するもの。予兆では、カラス鳴きが悪いと人が死ぬ、松の花が咲くと不幸がある、ウドンゲの花が咲くと家に凶事がある、富士山や高麗山の雲で天気を占うなどが挙げられる。禁忌では、正月飾りの一夜飾りを忌み、二十九日には餅をつかない、お盆の間は生き物を捕らない、未年の女との結婚は避ける、一軒に巳・寅・申が揃うのを嫌う、妊婦は産が重くなるので馬の手綱をまたがない、七草まで爪を切らず夜も爪を切らない、出針は使わない、といった日常のタブーが語り継がれている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
平塚市史民俗調査報告書 7
『平塚市史民俗調査報告書 7』は、平塚市の市史のための民俗調査報告書の第七冊のうち、第六章「話と心意」の一部である。旧市内の松原・崇善・富士見地区で聞き取った俗信を、予兆・禁忌・呪法・民間療法に分けて一行ずつ列挙し、天気や夢、厄年、病の手当てにかかわる言い伝えを収める。続く昔話・世間話・伝説の節では概況として、話者の顔ぶれ、語り出しと結末の句、伝承の場、須賀の頓狂話などの地域の特色を述べる。