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夜ごと帰る亡き旗本の正体は密夫

所在地東京都墨田区
年代伝承(口承)
登場(類話)
出典井上円了 妖怪学講義

どんな伝承か

『荘内可成談』の筆者が、獺の怪を語ったあとに書き添えた話。江戸の本所に住む旗本の某が亡くなると、その後毎夜のように家へ戻ってくるという噂が立った。妻は美しい人で、亡夫が通うようになって一年余りのうちに子を一人もうけたので、奇怪な出来事として評判になった。ところがよく調べてみると、死者が帰ってきたのではなく、妻のもとへ忍んで通う密夫のしわざだったという。筆者は、世に妖怪と呼ぶものにはこの類が多く、死んだ人がまた来るはずはない、仮に魂が来るとしても生きた人のようではあるまいと結んでいる。

原典より

これによって案ずるに、江戸本所御旗本何某が死んで夜毎に来る。—— 井上円了 妖怪学講義(井上円了 著・平野威馬雄 編) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

井上円了 妖怪学講義(井上円了 著・平野威馬雄 編)

『井上円了 妖怪学講義』は、明治期に哲学館で講じられた井上円了の『妖怪学講義』から要所を選び、平野威馬雄が現代の文章に改めて編んだ抄録である。狐憑きや化物屋敷、怪火、幽霊、コックリなどを題材に、円了が古書から抜き出した記事、各地から寄せられた報告、円了自身の現地での調べを収める。原著の八部門のうち理学・心理学・宗教学・雑の四部門を章に立て、序で研究の経緯と分類を、結びで編者の見方を述べる。

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