行灯に芝居を映した猫の口止め
どんな伝承か
成田市に伝わる化け猫の昔話。ある家で村芝居に皆が出かけ、留守番の嫁が猫に話しかけると、猫は行燈に芝居を映して見せ、決して口外するなと言った。だが嫁が家族に芝居の様子を話し、なぜ知っているのかと問われて猫を指さすと、猫は嫁の喉笛に食いついて殺してしまったという。木挽き小屋の怪物を鉄砲名人が金銀の玉で退治する『猫と釜蓋』の話とともに語り伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
成田市史 民俗編――昔話・伝説(成田市(編)・成田市史)
『成田市史 民俗編――昔話・伝説』は、成田市が編んだ市史の民俗編のうち、口承文芸の節を収めたものである。昭和五十二年から五十四年にかけての聞き書きをもとに、話者の一覧表を掲げ、喰わず女房や猫の踊などの昔話二十六話、多古の殿様などの笑話二十二話、七不思議・巨人・塚・坂・主の話など成田の伝説十二項を載せる。昔話と笑話の題には『日本昔話集成』の型番号を付し、語り始めの句や語りの場の解説を添え、末尾に世間話の節の冒頭を収める。