兄弟の疑いで二人の妻が岩と化した京の上臈島
どんな伝承か
香川県香川郡直島町の京の上臈島にまつわる伝説である。兄弟が京と郷里にそれぞれ妻を置き、半年ごとに交代で都のつとめをしていた。留守のあいだ、互いの妻と兄弟の間に過ちがあるのではと疑いが募り、ついに弟の妻が入水し、次いで兄の妻も海に入って、二人の女は岩になってしまったという。また、この島の泉へ水を汲みに行った者が帰らず、見に行くと泉が血の海になっていたという怪異も語られている。
原典より
兄弟が京と郷里にそれぞれ妻を置き、半年ごとに交代で都のつとめをしていた。—— 新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説(香川県(編)・新編香川叢書) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説(香川県(編)・新編香川叢書)
『新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説』は、香川県の叢書の民俗篇のうち、第八編「口承文芸」を収めた部分である。香川県内の昔話と伝説を扱い、昭和初年からの採集の歩み、呼び名や発端・結末の句、桶屋やほうろく売り・遍路などの運び手、語り手の横顔を論じたうえで、綾上町などで聞いた未発表の昔話を話者名付きで掲げる。伝説の章は樹木・石と岩・水と池と渕・塚と穴・祠と堂・坂と山と峠と谷・動物の項目に分け、各話の末尾に伝承地の郡町名を添える。