置き去りにされた盲人の泣き声が聞こえる五人そわえ
どんな伝承か
香川郡直島町の海岸にある岩の伝説。長野の善光寺参りのため苦労して路銀をためた盲人たちが船に乗ったが、船頭は船底の水をかい出すと偽って七人をこの岩に降ろし、置き去りにしたまま路銀を奪って去った。潮が満ちて盲人たちは溺れ、以来雨の夜には男の泣き声やあやしい火が飛ぶといい、船頭の家系は絶えたと伝わる。
原典より
雨が降る夜は男の泣声が聞えたり、あやしい火が飛ぶ。—— 新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説(香川県(編)・新編香川叢書) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説(香川県(編)・新編香川叢書)
『新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説』は、香川県の叢書の民俗篇のうち、第八編「口承文芸」を収めた部分である。香川県内の昔話と伝説を扱い、昭和初年からの採集の歩み、呼び名や発端・結末の句、桶屋やほうろく売り・遍路などの運び手、語り手の横顔を論じたうえで、綾上町などで聞いた未発表の昔話を話者名付きで掲げる。伝説の章は樹木・石と岩・水と池と渕・塚と穴・祠と堂・坂と山と峠と谷・動物の項目に分け、各話の末尾に伝承地の郡町名を添える。