雨乞いに必ず応える神名樋山の石神
どんな伝承か
出雲国風土記の楯縫郡の条には、神名樋山という山のことが記されている。郡家から東北へ六里あまりの所にあり、高さは百二十丈余り、周りは二十一里余りの山である。その頂の西には石神があり、高さも周りも一丈ほどである。日照りのときにこの石神に雨乞いをすると、必ず雨を降らせてくださるという。筆者はこれを石を対象として雨乞いが行われた例とし、この石神は山の神体の石であったかもしれないと見ている。
原典より
旱に当りて雨を乞う時は、必ず零らしめたまふ」とある。—— 日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか)
『日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗』は、原田敏明・池上廣正・堀一郎ら十二人の執筆者による論文集である。民間に伝わる神と霊の観念、家や村の氏神、職業の神、祭りの日取りと組織、憑きものや妖怪を題材に、各地の調査報告や古記録に見える事例を引いて論じる。原田の総説に始まる十七編からなり、後半では修験道・庚申信仰・キリシタン・新興宗教と民間信仰とのかかわりを扱う。