大峰山の覗き成年式
どんな伝承か
奈良県の大峰山周辺の村々では、十五歳になった男子を先達が連れて吉野の大峰山に登る習わしがある。西ののぞき、東ののぞきと呼ばれる断崖の上で、先達が少年の足を押さえたまま体を半分乗り出させ、人としての道義を守ることを誓わせるのである。論考は、これが修験の山伏の行う覗きという懺法に由来することは明らかだとし、成年式に共通する厳しさの例として挙げている。
原典より
奈良県大峰山周辺の村々では、一五歳になった男子を先達が連れて吉野の大峰山に登り、西ののぞき、東ののぞきという断崖の上で、先達が足を押えて半身をのり出させ、人としての道義を誓わせる習慣がある。—— 日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか)
『日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗』は、原田敏明・池上廣正・堀一郎ら十二人の執筆者による論文集である。民間に伝わる神と霊の観念、家や村の氏神、職業の神、祭りの日取りと組織、憑きものや妖怪を題材に、各地の調査報告や古記録に見える事例を引いて論じる。原田の総説に始まる十七編からなり、後半では修験道・庚申信仰・キリシタン・新興宗教と民間信仰とのかかわりを扱う。