庚申さんが五日間土地を調べる
どんな伝承か
富山県黒部市若栗では、庚申さんは十二時に天から下りてきて、五日のあいだ土地のようすを調べてから、また天へ上るという。全国の庚申の伝承には、眠っているあいだに体内の三尸が天にのぼって人の悪事を告げる、という型が多いが、若栗のように庚申さん自身が地上に下りてきて、しばらく人の暮らしを見て回るという語り方も伝えられている。
原典より
庚申さんは十二時に天から下りてきて、五日間土地のようすを調べてから上る—— 日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか)
『日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗』は、原田敏明・池上廣正・堀一郎ら十二人の執筆者による論文集である。民間に伝わる神と霊の観念、家や村の氏神、職業の神、祭りの日取りと組織、憑きものや妖怪を題材に、各地の調査報告や古記録に見える事例を引いて論じる。原田の総説に始まる十七編からなり、後半では修験道・庚申信仰・キリシタン・新興宗教と民間信仰とのかかわりを扱う。