能登ススノミサキに人魚が現れる
どんな伝承か
嘉元記によると、宝亀九年四月三日、能登国のススノミサキに人魚が現れたという。著者は、人魚の出現を記した嘉元記などの記事を年代順に並べる中で、天平勝宝八年の出雲安来浦の例に続けてこの記録を挙げている(原典は現れた様子の一字が欠けている)。
原典より
天平勝寶八年五月二日には出雲國安來浦へ、寶龜九年四月三日には能登國ススノミサキに た(嘉元記)。—— 動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・1926年(大正15年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・1926年(大正15年))
『動物妖怪譚』は、日野巌が大正六年に筆を起こし、大正十一年の跋と大正十五年の再記を添えて著した伝説の動物の研究書である。鬼・天狗・河童・人魚・雪女・龍・雷獣・狐・狸・獏・鯰・猫など二十六の項目を立て、記紀や万葉集から近世の随筆までの記事を原文の引用ごと示して起源と変遷をたどり、動物学の知識で正体を考える。總論で起原・歴史的変遷・分類などを論じ、結論では迷信から科学へ近づくことを説いて閉じる。