弘仁十年に京の都に白龍が現れる
どんな伝承か
日本紀略によると、嵯峨天皇の代の弘仁十年七月、都の中に白い龍が現れ、激しい風雨が起こって民家を壊したという。著者は、日本書紀の豊玉姫や吉備の縣守淵の話に続けて、龍の現れた記録を時代順に並べており、これはその平安時代の最初の例である。
原典より
嵯峨天皇の御代、弘仁十年七月に京中に白龍が現はれ、暴風が起つて民屋を損じたことがある。—— 動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・1926年(大正15年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・1926年(大正15年))
『動物妖怪譚』は、日野巌が大正六年に筆を起こし、大正十一年の跋と大正十五年の再記を添えて著した伝説の動物の研究書である。鬼・天狗・河童・人魚・雪女・龍・雷獣・狐・狸・獏・鯰・猫など二十六の項目を立て、記紀や万葉集から近世の随筆までの記事を原文の引用ごと示して起源と変遷をたどり、動物学の知識で正体を考える。總論で起原・歴史的変遷・分類などを論じ、結論では迷信から科学へ近づくことを説いて閉じる。