永久三年に鳴いた鵺と鳥羽殿
どんな伝承か
鵺は源頼政が射たときのほかにも、たびたび姿を見せたと記録にある。『殿暦』には、永久三年六月二十五日に鵺が鳴き、その後に鳥羽殿へ渡ったと見える。同じ年の七月にも都の中に鵺が現れたと『拾芥抄』は記している。著者はこれらを、夜に鳴く鳥が凶兆として恐れられた例として、天養・建暦・延応の記事と並べて年代順に挙げている。
原典より
ヌエは頼政が射た時の他、屢々出現してゐる。—— 動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・1926年(大正15年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・1926年(大正15年))
『動物妖怪譚』は、日野巌が大正六年に筆を起こし、大正十一年の跋と大正十五年の再記を添えて著した伝説の動物の研究書である。鬼・天狗・河童・人魚・雪女・龍・雷獣・狐・狸・獏・鯰・猫など二十六の項目を立て、記紀や万葉集から近世の随筆までの記事を原文の引用ごと示して起源と変遷をたどり、動物学の知識で正体を考える。總論で起原・歴史的変遷・分類などを論じ、結論では迷信から科学へ近づくことを説いて閉じる。