トップ > 京都府の伝承 > 京都市

後鳥羽院時代の八条殿の化物狸

所在地京都府京都市南区(八条殿)
年代後鳥羽院の御時
登場庄田若狭前司頼慶
出典動物妖怪譚

どんな伝承か

古今著聞集によると、後鳥羽院の時代、女院の住む八条殿の御所に化け物が出るという噂が立った。院は、まだ六位だった庄田若狭前司頼慶に正体を見届けるよう命じた。頼慶は寝殿に入って待ち続けたが六晩は何事もなく、七日目の夜にうとうとしていると、素焼きの器のかけらが頭にばらばらと投げつけられた。姿は見えなかったが、やがて黒い筒先のようなものが頭上を走り越えたので下から組みとめると、毛の抜けた古狸だった。生け捕りにして院に差し出すと褒美を賜り、以後化け物は出なくなったという。

原典より

され共目に見ゆる物もなし、しばしばかり有て賴慶がうへをくろき物のつゝさきのやうなるがはしりこえけるを下よりむずこ取こごめてけり。—— 動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・1926年(大正15年)) より引用
地図で位置を見る

※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・1926年(大正15年))

『動物妖怪譚』は、日野巌が大正六年に筆を起こし、大正十一年の跋と大正十五年の再記を添えて著した伝説の動物の研究書である。鬼・天狗・河童・人魚・雪女・龍・雷獣・狐・狸・獏・鯰・猫など二十六の項目を立て、記紀や万葉集から近世の随筆までの記事を原文の引用ごと示して起源と変遷をたどり、動物学の知識で正体を考える。總論で起原・歴史的変遷・分類などを論じ、結論では迷信から科学へ近づくことを説いて閉じる。

種別から探す

狸化け化物退治怪異古狸

京都市の伝承

同じ種別の伝承

同じ文献『動物妖怪譚』の伝承