カラダビをめぐって
どんな伝承か
遺体の埋葬と別に霊魂の葬送を行う習俗を追った著者は、三十年ほど前に千葉県内を歩いていた頃、八日市場近くの横須賀という部落の長徳寺で、当時の栄村(現野栄町)の堀川では葬式の前に遺骸の埋葬をすませ、空の棺を置いて葬式をする風があり、これをカラウメというと聞いた。昭和五十五年六月、思い立って堀川を訪ね、あちこち人に尋ねた結果、たしかにその習俗が近い頃まで行われていたことを確かめた。四十年ほど前に堀川へ嫁いできた老婦人によれば、まず二人が棺をかつぎ、近親者と僧だけで墓地へ行って埋め、家へ帰って盛大な葬儀を行う。同婦人はこれをカラダメと呼んだ。
原典より
なお残るカラダビ習俗* 西郊民俗九五 6月特異な霊送り習俗* 西郊民俗九六 9月忌の種類とその重複 祝火を中心に 西郊民俗九七 12月 →生業の民俗 昭58昭和五十七年(一九八二)葬儀における水汲み* 西郊民俗九八 2月…—— 霊魂の行方(最上孝敬・最上孝敬・葬送民俗・昭和(民俗学)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の行方(最上孝敬・最上孝敬・葬送民俗・昭和(民俗学))
民俗学者・最上孝敬『霊魂の行方』。日本各地の葬送習俗を実地調査し、死者の霊魂がどこへ行きどう処理されるかを論じた葬送民俗研究の集成。