八丈富士の頂に置く丸石ホーデ
どんな伝承か
八丈島には、六月一日や十月一日に八丈富士へ詣る日がある。この折、海辺で拾った丸い石を持って登り、頂上に置いてくる。この石をホーデと呼ぶ。七人そろって詣るならわしなので、七人持ちのホーデなどとも言うそうだ。ホーデはホーデン・ボンデンなどと同じ系統の語で、埼玉県児玉郡では参宮のとき神社の境内に作るオハケにあたるものをホーデンと呼び、茨城県那珂郡ではボンテンと言った。祭りの標識とも、祭られる神霊の依り代とも解される品が、地方ごとに名を変えて伝わっているのだと著者は説く。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の行方(最上孝敬・最上孝敬・葬送民俗・1984年(昭和59年))
『霊魂の行方』は、最上孝敬の葬送習俗に関する論説を集め、名著出版が昭和五十九年に刊行した論集である。死者の霊を家から送り出す霊送りやカラダビ、骨掛け、男女別墓制と半檀家、無縁仏、盆と施餓鬼、葬儀の水など、千葉・埼玉をはじめ各地で聞き取った習俗と既刊の報告をもとに論じる。「霊送りとその周辺」「葬送の諸問題」「葬祭の民俗」の三章に二十八篇を収め、巻末に初出一覧、大島建彦の解説、年譜、著作目録を付す。