暮に死ねば仮葬にして正月を越す
どんな伝承か
特別な時期に死んだ者が特別な扱いを受ける風は各地にある。歳神を迎えまつる正月についても、その準備の始まる暮の二十日以後に死んだ人はいったん仮葬にし、正月行事が一段落した一月十六日以後に本葬をするという風が、福島県石城郡田人村に伝えられている。屋敷神の由来を、正月中に死んだ人を葬ったのだと説く土地もあり、これも晴れがましい世間から隠れて屋敷内だけで葬りすませようとしたことと関わる言い伝えではないかと著者は考えている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の行方(最上孝敬・最上孝敬・葬送民俗・昭和(民俗学))
民俗学者・最上孝敬『霊魂の行方』。日本各地の葬送習俗を実地調査し、死者の霊魂がどこへ行きどう処理されるかを論じた葬送民俗研究の集成。