吹雪に死んだ男女の大死人沢と小死人沢
どんな伝承か
石沢の庄屋の娘と大内の若者が盆踊りで知りあい、若者は大内から通ってきた。通わせるのは気の毒だからと、娘のほうも登っていって途中の山で会うことになり、さとうじという実在の地名の場所で二人は逢っていた。夕方から登るので月の明るい晩でなければ登れず、逢えるのは月に一度ほどであった。あるとき、さとうじで逢って別れた帰り道、二人は猛吹雪にあい、互いの名を呼びあいながら雪の中で死んでしまった。男の死んだ場所を大死人沢、女の死んだ場所を小死人沢と呼ぶようになったという。
原典より
石沢の庄屋の娘って言ったけな、どごだがわがらねけども、その娘さんと大内の若者が盆踊りで知りあって、そすて大内から一時通ってきたそうです。—— 本荘市史 文化・民俗編(現代(市史民俗編)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
本荘市史 文化・民俗編(現代(市史民俗編))
秋田県本荘市の伝説。竜馬山の主に足どめの法をかけた赤足止めの杉、船に害をなす虚空蔵山の手長・足長、吹雪で死んだ恋人を弔う大死人沢・小死人沢、伊勢参りの帰りに拾われ太り続けて家を富ませる熊野神社の神石、脇指目当てに殺された浪人とオウメの身投げの想思淵、弘法に水を断った罰で水の出ぬ弘法清水、龍神に通われ蛇を産んだかれい沼の女、人柱になったおから地蔵など、神石・水の怪・人柱・霊験の伝説を収める市史民俗編。