明神長根を襲った狂乱の吹雪
どんな伝承か
大畑平の千葉繁太郎は炭焼きを終えて帰路につき、馬出しの小屋で同じ部落の吉田豊治・豊作の兄弟に会った。荒れそうだと帰宅を急がせ、道中で渡辺庄二・永之助・永吉の三人も加わった。慶存を過ぎて明神長根にかかると雪が降り出し、たちまち一寸先も見えぬ吹雪となった。一行は道を失い、馬を放って松の下に身を寄せたが、手足は凍えて動けなくなった。星空に戻った頃、庄二と永之助が助けを求めに立ったが、二人は自宅に手の届く所で力尽きて倒れていた。豊作と豊治も相次いで亡くなり、のちにこの地に石碑が建てられた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
胆沢町史 11(民俗編4)――口承・伝説(胆沢町(編)・胆沢町史)
『胆沢町史 11(民俗編4)――口承・伝説』は、胆沢町の町史民俗編の一冊のうち、第四章「口承・伝説」を収めたものである。第一節は松浦佐用姫と高山掃部長者の伝説を扱い、胆沢・水沢周辺の伝説地を列挙したうえで、町内に伝わる佐夜姫の本地物の写本や『南部叢書』所載の「奥州胆沢高山実伝」を翻刻する。第二節「いさわの昔話」は大蛇・狐・むじな・飢饉・戦後の怪異などの話を番号順に並べ、第三節「いろいろな昔話」へと続く。