谷根の甲子講とキノエネさん
どんな伝承か
甲子の日に講の仲間が集まり、夜更けまで起きて精進の供養をするのがキノエネさん、甲子講である。信心すれば作柄がよくなり、金がたまって不自由をしないといわれ、大黒の掛軸をかけ、炒った豆やアラレを供えて、一晩じゅう話に興じたという。谷根には上村と中和田のワノウチごとに二組の講があり、講員はいずれも六、七人、家の宗旨はみな法華宗であった。講は六十日ごとにめぐる甲子の日に開かれ、出席するのは家の主人である。死や出産の穢れを嫌い、宿の都合が悪ければ次の子の日へ延ばした。うちわ太鼓を打ち、南無妙法蓮華経を五百回唱えたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
柏崎市史資料集 民俗篇(柏崎の民俗)――信仰と俗信(柏崎市(編)・柏崎市史)
『柏崎市史資料集 民俗篇(柏崎の民俗)――信仰と俗信』は、柏崎市史の資料集として編まれた民俗篇のうち、第四章「文化伝承」の信仰にかかわる部分を収める。柏崎市域のムラの神社とまつり、雨乞い・虫送りなどの祈願、家の神と屋敷神、民間小祠と路傍の石仏、寺と行事、修験、庚申講や米山講などの講を、聞き書きと「白川風土記」「神社明細帳」などの記録から記す。第六節「俗信」では予兆・占い・禁忌を分類して列挙し、昭和五十八年の熱田神社の年占の結果も載せる。