鷹の巣の富士講と御護符を飲む水
どんな伝承か
北条の鷹の巣には、明治三十五年に五十嵐金之丞が建てた「富士嶽大神」の石塔が残る。ここの富士講は大正の末頃まで続き、一か月おきの十七日に持ち廻りの宿へ寄り合った。盛んな時分には四十戸の村の半数が加わったという。床の間に掛軸を掛け、灯明・御神酒・供花と炒豆を供え、太夫を交えて祈祷を上げる。締めくくりの講では餅を搗いて福手餅を供えた。勤行がすむと、富士から受けてきた御護符を一字ずつ切り刻み、山の清水を張った鉢に浮かべて皆で飲み干す。登拝は先達に従い、白装束で鈴を振り、呪文と大祓いを唱えながら登ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
柏崎市史資料集 民俗篇(柏崎の民俗)――信仰と俗信(柏崎市(編)・柏崎市史)
『柏崎市史資料集 民俗篇(柏崎の民俗)――信仰と俗信』は、柏崎市史の資料集として編まれた民俗篇のうち、第四章「文化伝承」の信仰にかかわる部分を収める。柏崎市域のムラの神社とまつり、雨乞い・虫送りなどの祈願、家の神と屋敷神、民間小祠と路傍の石仏、寺と行事、修験、庚申講や米山講などの講を、聞き書きと「白川風土記」「神社明細帳」などの記録から記す。第六節「俗信」では予兆・占い・禁忌を分類して列挙し、昭和五十八年の熱田神社の年占の結果も載せる。