対馬の宿で聞いた川童の足音
どんな伝承か
佐賀の白山町の森田藤兵衛が対馬へ渡って宿に泊まったところ、夜中に宿の付近を大勢の足音が通り、一晩中絶えなかった。翌朝亭主になぜこんなに夜歩きする者が多いのかと尋ねると、あれはみな川童で人ではない、川童は昼は山にいて夜は海へ出て食べ物を求めるので、このように大勢いても別に害はしないのだと語ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
妖怪談義(柳田國男選集 五巻)(柳田國男・柳田國男・妖怪学・1956年(昭和31年))
『妖怪談義(柳田國男選集 五巻)』は、柳田國男が妖怪についての論考を集め、昭和三十一年に自序を付して編んだ論集である。妖怪と幽霊の別を説く総論「妖怪談義」に始まり、川童・小豆洗い・ザシキワラシ・山姥・山男・大太法師・一つ目小僧・天狗などを、各地の言い伝えと方言の呼び名から考える。巻末に全国の妖怪の名を短い説明つきで集めた「妖怪名彙」を置き、大藤時彦の解説を付している。