大きな火の玉が細かく分かれる下甑島のキカ
どんな伝承か
薩摩の下甑島では、火の玉のことをキカと呼んだという。それもただの火の玉ではなく、大きな火の玉が細かく分かれて散っていくものをそう呼ぶのだとされる。柳田國男は、この呼び名はもともと「鬼火」という漢語の音であり、それがいつのまにか遠い南の島にまで運ばれて、土地の言葉として根づいたものだと見ている。妖怪名彙では、各地に伝わる怪火の呼び名の一つとして取り上げられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
妖怪談義(柳田國男選集 五巻)(柳田國男・柳田國男・妖怪学・1956年(昭和31年))
『妖怪談義(柳田國男選集 五巻)』は、柳田國男が妖怪についての論考を集め、昭和三十一年に自序を付して編んだ論集である。妖怪と幽霊の別を説く総論「妖怪談義」に始まり、川童・小豆洗い・ザシキワラシ・山姥・山男・大太法師・一つ目小僧・天狗などを、各地の言い伝えと方言の呼び名から考える。巻末に全国の妖怪の名を短い説明つきで集めた「妖怪名彙」を置き、大藤時彦の解説を付している。