軒ショーブ(苧環型)
どんな伝承か
昔、あるところに、おじいさんとおばあさんと娘の三人が暮らしていた。娘によい婿を見つけてやろうと思ったがよい相手がいなかった。ところが娘は家を出ては夜遅く帰ることが幾晩も続き、聞いても何も言わない。そのうち娘の腹がばかに大きくなってきた。問いただすと、男とよい仲になり毎日迎えに来るのだという。両親は、今夜男が来たら着物に針で糸を縫いつけて来いと教え、娘はそのとおりにした。両親が糸をたぐって行くと、糸はずっと沼地のほうまで続いていた。娘の相手は沼の主の大蛇に違いないと驚いた両親は、風呂に菖蒲と蓬を入れて娘を入らせ、腹の大蛇の子を堕ろさせた。それから軒先に菖蒲と蓬を挿すようになったという。
原典より
昔、あるどごに一人の替え衆が居たんだど。—— 氏家町史 民俗編――伝説・昔話(氏家町(編)・氏家町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
氏家町史 民俗編――伝説・昔話(氏家町(編)・氏家町史)
『氏家町史 民俗編――伝説・昔話』は、氏家町の町史民俗編のうち、第五章「くらしと言語」の第一節「伝説・昔話」と第二節「ことわざ、俗言」の初めを収めたものである。昭和七年版『氏家郷土誌』の数編と町史編さん室などが集めた話から選んだ二十七話を土地の方言の語りに直して載せ、勝山城にまつわる歴史伝説や地蔵の信仰伝説が多い。各話の末に方言の語注を付け、ことわざの節では日常に使われた俗言を五十音順に並べる。