板尾七度の火事・山伏の予言
どんな伝承か
板尾の七度目の火事にはこんな話が伝わる。ある日、一人の山伏が村へ来て宿を頼んだが、誰も泊めようとしなかった。仕方なくお宮に寝ていると、夢ともなく話し声が聞こえた。「これで茅の一節までも許しを得たが、あなただけが許してくれない」と訴える声に、神様が「それではもう七日待ってくれ、そうすれば村人にも用意ができる」と答えていたという。山伏はそれが魔火の神と板尾の神様だと察し、七日のうちに大火があると村人に告げた。村人は荷物をまとめて多々羅へ避難したが、七日目になっても火事がない。だまされたのだと皆が村へ帰ったその夜、大火となって村の大方が焼けたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
河内村史 下巻(民俗編)――白山麓の伝説(河内村(編)・河内村史)
『河内村史 下巻(民俗編)――白山麓の伝説』は、白山麓の河内村の村史の民俗編から、民話・伝説と故事を記した節を収めたものである。白山の千蛇ヶ池や富士山との背くらべ、高ボウケの大蛇、猿仏の名号、おひなの荒、天狗、菊酒、池の金山の伝説など、村と周辺に伝わる話を、白山関係の古文書や郡誌を引きながら記す。第三節「民話 伝説」、第四節「故事 伝説」、第五節「伝説」に分け、話ごとに題を立てて由来や現地のようすを添えている。