黒塚に籠もる安達ヶ原の鬼女
どんな伝承か
謡曲「黒塚」は奥州安達ヶ原の鬼女の物語として知られる。山伏の祐慶一行が一ノ家に宿を借り、そこが鬼女の住みかであると知る。祐慶は、閨の内を物の隙間からのぞくと人の屍骸が数知れず軒と等しく積み置かれ、膿血はたちまち溶け崩れ、皮膚もことごとく爛れていた、これこそ音に聞く安達ヶ原の黒塚に籠もる鬼の住み処だと語る。随行の山伏たちも、恐ろしや、陸奥の安達ヶ原の黒塚に鬼が籠もると詠まれた歌の心もこのようなものかと応じる。鬼女の代表として鬼女紅葉と並べて挙げられている一条である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
怪談の世界(山田野理夫・昭和中期(1977年頃))
ザシキワラシ(座敷童子)と福の神(怪談の世界)/遠野・東北の怪異伝承/家運の盛衰と怪音/妖怪と幽霊譚/山田野理夫の怪談採集