妊婦を待ち続けた安達ヶ原の鬼婆
どんな伝承か
二本松市大平に伝わる異伝である。公家の姫君の病には妊婦の生き肝がきくと告げたのは、観音の夢告ではなく易者の占いだったとする。奥州安達ヶ原の岩屋にたどり着いた岩手は、そこを住み家として旅人を宿らせ、糸をつむいで生計を立てながら、ひそかに妊婦の通るのを待っていたという。また、恋衣の腹を切り裂こうとしたそのとき、薬を求めに出ていた伊駒之助が帰ってきて有様を見て驚き悲しみ、夫婦ともども三途の川を渡ろうと自害して果てたとも語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第3巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第3巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全65話(山形・福島・新潟)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。