浅野の鎮魂で飛び出した天狗
どんな伝承か
友清歓真は大本の機関誌に寄せた入信の手記で、かつての自分を振り返っている。暇さえあれば地方へ出かけて警察を攻撃する演説会を開き、山口県や福岡県の警察から親の敵のように恨まれたが、それは当時自分に憑いていた天狗が得意になって暴れていたのだろうという。ある日、吹雪の中の大師堂で黙坐していると霊感に打たれ、急に綾部へ行きたくなった。大正七年春に大本へ来て浅野和三郎から鎮魂を受けると天狗が飛び出し、それからは何かにつけ大本の神の鏡に照らされて、恥ずかしく決まりの悪い思いで日々を過ごしたと記している。
原典より
併し当時私に憑依して居た天狗は大得意でアバれたのでせう。—— 鎮魂行法論――近代神道世界の霊魂論と身体論(津城寛文・津城寛文・宗教学) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
鎮魂行法論――近代神道世界の霊魂論と身体論(津城寛文・津城寛文・宗教学)
『鎮魂行法論――近代神道世界の霊魂論と身体論』は、津城寛文が著し、春秋社から刊行された宗教学の研究書である。本田親徳・出口王仁三郎・浅野和三郎・友清歓真・川面凡児・田中治吾平・宮地水位など、近代以降の神道界とその周辺に現れた鎮魂行法家の系譜をたどり、その鎮魂帰神説や霊魂観をシャーマニズム研究の観点から整理する。序章と全七章からなり、第一章で行法家の群像を描き、第七章では「宗教的身体境界」の考え方によって鎮魂行法を類型化する。