為永をなめまわす蛇身の女
どんな伝承か
見沼の干拓に取りかかろうとした井沢弥惣兵衛為永のもとへ、ある夜美しい女が訪れ、自分は見沼の竜神だと名のって干拓を延ばしてほしいと願い、ふっと消えた。工事が始まると思わぬ災難が重なり、為永も病に伏した。すると再び女が現れ、病を治すかわりに願いを聞いてほしいと言い、毎夜訪れては明け方に去った。為永の病はみるみる回復したが、ある晩、家来が部屋をのぞくと、蛇の姿をした女が為永の体をなめまわしていた。肝を冷やした為永は詰め所を片柳の万年寺へ移したが、そこでも棺が門をくぐろうとすると宙に舞い上がる怪事が起こり、人々は竜神の恨みの仕業だと噂した。
原典より
ところが、ある晩、家来の者が為永の部屋をのぞくと、蛇身の女が為永の体をなめまわしていた。—— 浦和市史 民俗編――伝説(浦和市(編)・浦和市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
浦和市史 民俗編――伝説(浦和市(編)・浦和市史)
『浦和市史 民俗編――伝説』は、浦和市史の民俗編のうち、第十章「伝説」を収めた部分である。調神社の片目の鯉や兎を飼わない言い伝え、日蓮上人の駒つなぎのケヤキ、見沼の竜神や笛、別所沼の大蛇、地名や塚の由来、特定の作物や弓矢を忌む家の言い伝えなど、市内に伝わる伝説を集める。旧市部から西浦和まで地区別に節を立て、見沼の伝説は一節にまとめ、章の初めに『埼玉県伝説集成』などの引用文献を掲げ、話のあとに▽印で異説や由来を補う。