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円珍が幻視した黄不動と赤不動

所在地滋賀県大津市園城寺町(園城寺)
年代中世
登場法全、呪術者、新羅に招かれて調伏を行った唐の僧
出典呪術と占いの日本史

どんな伝承か

智証大師円珍は弘法大師空海の甥にあたり、天台宗の僧となって比叡山延暦寺第五代の座主を務めた。空海の血筋のためか密教の才に恵まれ、天台密教は円珍によって完成されたという。円珍には不動明王にまつわる伝説が数多く残る。承和五年、石龕で座禅をしていると虚空に金色の大人が現れ、「我は不動明王である」と告げたため、その姿を絵師に描かせた。これが園城寺に伝わる「黄不動」である。もう一つの「赤不動」は、円珍が葛川での修行中に不動明王を幻視し、頭を岩に打ちつけて流れる血でこれを描いたと伝えられるが、なぜかこの画像は真言宗の高野山に所蔵されている。

原典より

承和五年(八三八)、円珍が石龕(せきがん)のなかで座禅をしていると、虚空に金色の大人が出現した。—— 呪術と占いの日本史(渋谷申博・瓜生中・呪術・占い史・1992年(平成4年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

呪術と占いの日本史(渋谷申博・瓜生中・呪術・占い史・1992年(平成4年))

『呪術と占いの日本史』は、渋谷申博・瓜生中が平成四年に著した日本呪術史の概説書である。縄文の屈葬や土偶、卑弥呼の鬼道から中世の呪詛、近世のおかげ参りと「ええじゃないか」を経て、明治の神仏分離と修験・祈禱の禁止までを、記紀や史書の記事と民俗の断片から拾い上げる。古代・中世二章・近世の四章を小項目に分けて立て、表の歴史に現れない民間信仰を「闇」の系譜としてたどる。

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