光る島の石を祀るとうどうさん
どんな伝承か
堀切に伝四郎という漁師がいた。仲間数人と沖へ出ていたところ、にわかに風が強まって高波に押され、船は木の葉のように流された。皆で神仏に祈り続けると、水平線に一筋の光がさす。神の導きだろうとその光を目指して進むうち、小さな島が現れた。上陸してしばらく過ごし、通りかかった船に乗せてもらって郷里へ戻ることができたという。伝四郎は命を救ってくれた光る島の石を一つ持ち帰り、新堀川に近い浜の藪へ祠を建てて御神体とした。この祠が誰言うともなく「とうどうさん」と呼ばれるようになった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
渥美町史 考古・民俗編
『渥美町史 考古・民俗編』は、渥美町の町史のうち考古・民俗編で、ここに収めるのは第二章「民間伝承と信仰・俗信」の第一節「伝説と昔話」の部分である。西ノ浜に上陸した家康にまつわる松や茨、膳貸せ岩、白馬になった池の主、大地震で海に沈んだ小塩津、秀忠が掘らせた井戸など町内各地の伝説十二話と、古屋の漏りやかちかち山などの昔話を収める。両者の違いを説く解説を前に置き、各話に地区名を添え、昔話は昭和六十年から六十一年の調査で採られたと記す。