苔が病を治す如活禅師の無縫塔
どんな伝承か
中荒井に如活禅師の庵室跡が残る。禅師は享保四年の旧暦五月五日の夕方ふらりと現れ、湯田五兵衛の家に泊まった。不思議な出来事からその名僧であることを知ると、五兵衛はしきりに引き留め、屋敷内に九尺四方の草庵を結んで住まわせた。禅師はしばらくここに住んだが、決して生国を名乗らなかったという。のちに当地の豪家渡部開当が深く帰依し、五兵衛と計って三沢に一室を構えた。禅師は年久しくここに住み、諸宗の僧侶に法義を伝え、医術の門弟を数多く養成したと伝わる。三沢には「臨済三十八世上龍下水如活禅師」と銘のある巨大な無縫塔があり、その苔は病を治すといわれ、いただく者が少なくないという。
原典より
中荒井に如活禅師庵室の遺跡がある。—— 田島町史 第4巻(民俗篇)――伝説(田島町(編)・田島町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
田島町史 第4巻(民俗篇)――伝説(田島町(編)・田島町史)
『田島町史 第4巻(民俗篇)――伝説』は、会津の田島町の町史のうち民俗を扱う巻の、伝説を論じた節である。針生・糸沢・金井沢・折橋などに伝わる岩魚の棲まない沢、ダイタンボウの足跡、弘法清水、竜燈、天狗隠し、河童駒引き、アズキトギなどの伝説を、土地の言葉を交えた語りで載せる。自然伝説・歴史伝説・信仰伝説に分けて動物・地形・地名・人物・幽霊・妖怪変化などの項を立て、各話のあとに伝説の型や会津の類例を論じる。