雨乞いの祈祷場となる岩が舘の岩屋
どんな伝承か
藤生の集落の東北にある岩が舘は、昔、長沼氏が貝を吹いて合図した場所だと伝えられる。麓の陣屋窪には陣屋の跡が残り、山頂にはいくつもの大きな岩窟が開いている。第一の岩屋は二間四方の広さがあり、御蔵入三十三番の札所として聖観音を祀る。第二の岩屋に据えられているのは賓頭盧の石像で、第三の岩屋には愛宕将軍の地蔵が安置されている。なかでもいちばん広い岩屋は霊山と呼ばれ、大旱魃の年にはここを祈祷の場として雨乞いが行われてきた。開基の年代は分からないが、元亀・寛文・宝暦の各年に建て替えた棟札があり、維新前は川島の南照寺が管理していた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
田島町史 第4巻(民俗篇)――伝説(田島町(編)・田島町史)
『田島町史 第4巻(民俗篇)――伝説』は、会津の田島町の町史のうち民俗を扱う巻の、伝説を論じた節である。針生・糸沢・金井沢・折橋などに伝わる岩魚の棲まない沢、ダイタンボウの足跡、弘法清水、竜燈、天狗隠し、河童駒引き、アズキトギなどの伝説を、土地の言葉を交えた語りで載せる。自然伝説・歴史伝説・信仰伝説に分けて動物・地形・地名・人物・幽霊・妖怪変化などの項を立て、各話のあとに伝説の型や会津の類例を論じる。