夢で七日前に告げる多度津の古狸
どんな伝承か
香川県多度津町には、狸を家の守り神(ファミリーゴッド)として祀っている家がある。家の南側に藪があり、その中の古木に住む古狸で、何か事が起こると必ず七日ほど前に夢に現れて、そのことを予告するという。しかも、その夢を見るのは必ずその家の主婦だと伝えられている。憑いたものを封じ込めたという他所の例とは違い、狸を守護神とする信仰の一例である。
原典より
家の南側に藪があり、その中の古木に住む古狸であって、何か事が起こると、必ず七日くらい前に夢に現われて、そのことを予告する。—— 日本の憑きもの――俗信は今も生きている(石塚尊俊・1959年(昭和34年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の憑きもの――俗信は今も生きている(石塚尊俊・1959年(昭和34年))
『日本の憑きもの――俗信は今も生きている』は、石塚尊俊が昭和三十四年に著した研究書である。狐・犬神・蛇などの動物霊が人に憑くという俗信と、それを操るとされる家筋について、全国の伝承と近世以来の文書を集めて論じる。出雲・隠岐・豊後・土佐では筋の家の割合や縁組の偏りを調べ、憑きもの落としの行法や家の神とのつながりまでを七章で追っている。