オコジョ持ちの家と婿には憑かぬ憑きもの
どんな伝承か
憑きもの筋と縁組をすると自分の家も憑きもの筋になるという考えは、その俗信を温存する大きな要因となっている。多くの地帯では嫁・婿を問わず縁組全般を嫌うが、比較的少数地帯ではそうではない。山梨県北都留郡小菅村では、オコジョ持ちの家が十三軒あるものの、村では縁組を特に嫌わない。部落によっては、憑きものは「家」に憑くものであって、殊に婿にはまったく憑かないと言われているという。
原典より
山梨県北都留郡小菅村では、オコジョ持ちの家が一三軒あるが、村ではこれと縁組することをさほど嫌わない。—— 日本の憑きもの――俗信は今も生きている(石塚尊俊・1959年(昭和34年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の憑きもの――俗信は今も生きている(石塚尊俊・1959年(昭和34年))
『日本の憑きもの――俗信は今も生きている』は、石塚尊俊が昭和三十四年に著した研究書である。狐・犬神・蛇などの動物霊が人に憑くという俗信と、それを操るとされる家筋について、全国の伝承と近世以来の文書を集めて論じる。出雲・隠岐・豊後・土佐では筋の家の割合や縁組の偏りを調べ、憑きもの落としの行法や家の神とのつながりまでを七章で追っている。