平将門の乱の前に現れた蝶の群れ
どんな伝承か
平将門が朝廷にそむく企てを起こしたころ、京の都に数えきれないほどの蝶が群れをなして現れ、人々を驚かせたという。この蝶の群れは、迫る戦の前に死の気配を感じとって心を乱した幾千もの人々の魂だと考えられたらしい。人里を離れた山中では、野ざらしの遺体に多くの蝶がたかっていることがあり、その乱れ舞う姿が死者の霊の化身に見えたのではないかという見方もある。
原典より
それと似たようなこととしては、平将門が反逆を企てたとき、京都におびただしい蝶の群れがあらわれて人々を驚かせたという。—— 霊魂の博物誌――原始生命観の体系(碓井益雄・碓井益雄・民俗学・1982年(昭和57年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の博物誌――原始生命観の体系(碓井益雄・碓井益雄・民俗学・1982年(昭和57年))
『霊魂の博物誌――原始生命観の体系』は、動物発生学を専攻した碓井益雄が著し、昭和五十七年に河出書房新社から刊行した書である。原始・古代の人々が霊魂をどう考えたかを、日本と諸外国の神話・民俗・古典・言葉の資料から説き、気息や人魂、風や雲、鳥や昆虫、幽霊や影として現れる霊魂の姿と、内臓・心・感覚器官に宿るとされた霊の座を論じ、屎尿や屁、名前と言霊にも章や節を割く。序章と全九章からなり、各章末に参照文献の注を付す。