紙の衣で長者になった寝ん坊太郎
どんな伝承か
秦野市の蓑毛には「寝ん坊太郎」という話が伝わっていた。怠け者で寝てばかりいるので寝ん坊太郎と仇名された一人息子が、正月の朝だけは早くから起き出す。大晦日のうちにこしらえておいた紙の衣を着込み、一計を案じて村一番の金持ちである隣家に取り入り、そのまま大金持ちになったという筋である。幸福な婚姻を得る型の話として全国に広い分布を持ち、本格昔話の一つに数えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
神奈川県の歴史 県史講座要録――伝説と昔話(中村亮雄(「伝説と昔話」)・神奈川県の歴史)
『神奈川県の歴史 県史講座要録――伝説と昔話』は、県史講座要録の県下の民俗篇に収められた、中村亮雄による講述「伝説と昔話」である。柳田国男の白米城伝説の研究を手がかりに、三浦半島の二反ヶ城、鶴見の見返し坂、湯河原の石橋山合戦の伝承など県内の伝説を取り上げ、藤沢・津久井・平塚などの昔話や笑話、世間話を紹介する。「はじめに」「伝説」「昔話」「あとがき」の四節からなり、昔話は本格昔話・派生昔話・笑話の別に沿って類話を並べる。