猫と胡瓜(東浦賀)
どんな伝承か
三浦半島に伝わる「猫と胡瓜」の話。船乗りに殺された猫を拾ってきて、庭の片隅に埋めてやった。翌年、その場所から胡瓜が芽を出し、やがて大きな実がなった。猫を殺した船乗りが訪ねてきたとき、その胡瓜を御馳走したところ、あまりに大きいので気味が悪くなり、掘ってみると、猫の死骸のうつろな目のところから胡瓜の根が出ていたという。昔話の分類では化物譚に属する派生昔話だが、この地では東浦賀の菊屋という船宿に実際にあった話として語り伝えられている。同じ話は近くでは伊豆半島にも残されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
神奈川県の歴史 県史講座要録――伝説と昔話(中村亮雄(「伝説と昔話」)・神奈川県の歴史)
『神奈川県の歴史 県史講座要録――伝説と昔話』は、県史講座要録の県下の民俗篇に収められた、中村亮雄による講述「伝説と昔話」である。柳田国男の白米城伝説の研究を手がかりに、三浦半島の二反ヶ城、鶴見の見返し坂、湯河原の石橋山合戦の伝承など県内の伝説を取り上げ、藤沢・津久井・平塚などの昔話や笑話、世間話を紹介する。「はじめに」「伝説」「昔話」「あとがき」の四節からなり、昔話は本格昔話・派生昔話・笑話の別に沿って類話を並べる。