浄瑠璃を語った虎猫と喉笛
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どんな伝承か
遠野の家中の是川右平という人の家での話である。冬のある晩、主人が子供を連れて櫓下の芝居を見に行き、夫人が一人で炉端の縫い物をして留守をしていると、側にいた虎猫が突然人の声を出し、退屈でしょうから旦那様たちが聞いている浄瑠璃を語って聞かせましょうと言って、朗らかに一くさり語った。そしてこの事を誰にも話すなと念を押した。のち、成就院の和尚が来て、月夜の晩に自分の庭で狐と踊っていたのはこの虎猫だと話した。その夜、夫人は先夜の浄瑠璃の話を主人にした。すると翌朝、夫人は喉笛を咬み切られて死んでおり、虎猫もそれきり帰って来なかったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 10 狼・山犬、猫(松谷みよ子・現代民話考・1970年代~1980年代推定)
松谷みよ子『現代民話考 10 狼・山犬、猫』を小話単位で全541話収録。狼・山犬・猫にまつわる現代の民話・怪異譚(送り狼・化け猫など)を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明535話・市区町村判明490話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。
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