須賀のとんきょう話・唐がらし
どんな伝承か
平塚市一帯には「須賀のとんきょう話」とよばれる笑話が伝わる。須賀は平塚市内、馬入川河口の港で、かつては「大山千軒、須賀千軒」といわれたほど水上交通の要衝として栄えた所である。大山が火事だというとき、馬入川の土手へ唐がらしを広げている者があった。通りかかった人が不審に思って尋ねると、「唐がらしは遠火であぶれ」という諺があるじゃないか、と答えたという。こうした話を含めて八つが「平塚小誌」に載る。須賀のとんきょう話は平塚だけでなく三浦半島の三崎町でも聞くことができ、海上交通によって運ばれたものであろうと考えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
神奈川県の歴史 県史講座要録――伝説と昔話(中村亮雄(「伝説と昔話」)・神奈川県の歴史)
『神奈川県の歴史 県史講座要録――伝説と昔話』は、県史講座要録の県下の民俗篇に収められた、中村亮雄による講述「伝説と昔話」である。柳田国男の白米城伝説の研究を手がかりに、三浦半島の二反ヶ城、鶴見の見返し坂、湯河原の石橋山合戦の伝承など県内の伝説を取り上げ、藤沢・津久井・平塚などの昔話や笑話、世間話を紹介する。「はじめに」「伝説」「昔話」「あとがき」の四節からなり、昔話は本格昔話・派生昔話・笑話の別に沿って類話を並べる。