三角の布袋を借りて子を授かる廻り地蔵
どんな伝承か
寺山・南矢名・落幡の一帯では、家々を順に巡る廻り地蔵が信仰されていた。寺山では、伊勢原市子易の親戚からもらい受けた家が年に一度講を営んできたが、いつの頃からか円通寺で行うようになった。子供が生まれると三角の布袋を作り、名前と生年月日を書いて吊し、中に賽銭を入れる家もあった。この三角の布袋を三十三個借りて腹に巻いて寝ると子ができる、あるいは丈夫な子が生まれるといわれ、昔は三十三軒の家を回って端切れをもらい、それで袋を縫ったものだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
秦野市史 別巻 民俗編――伝説・妖怪(秦野市(編)・秦野市史)
『秦野市史 別巻 民俗編――伝説・妖怪』は、神奈川県秦野市の市史のうち、民俗編の口承の部分を収めたものである。前半には市内で聞き取った動物・神仏・妖怪・人や村に関する話を地区名とともに載せ、河童やセンタク婆さん、グアン婆さんなどの妖怪譚を含む。後半の第四節「伝説」は一テーマ一話の方針で百話を採り、動物・植物、水、石・岩、山・坂・道・畑、塚、祠堂、家・村の七つに分け、既刊の類話を〔文献〕として要約して添える。