家に泊まった六部の前で親父が四国金比羅の神をありがたいと話すと
どんな伝承か
昔、落武者だか六部だかという者が家へ来て泊まり、いろいろと話をしていた。語り手の父親が、四国の金比羅さんはありがたい神だと話したところ、茶を何度注いでも、ほかの者の茶は澄んでいるのに父親の茶だけが黒くなった。六部は、これは金比羅さんが怒って早く来いと言っているのだと告げた。だが昔は歩きだから、二か月も三か月もかかって行き来などできない。自分は四国の金比羅の門前に住んでいるから代わりに参ってやると言われ、そのかわりに昔の銭で二円か三円を取られた。世を渡っていくには金も要るから、そう考えてごまかしたのだろうという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
秦野市史 別巻 民俗編――伝説・妖怪(秦野市(編)・秦野市史・自治体史(民俗))
『秦野市史 別巻 民俗編』所収の妖怪・伝説(一〇〇話を七分類で収載)。神奈川県秦野市に伝わる口承を採録する。