モエカビというものがあり
どんな伝承か
家の祖父が小便に起きたところ、向かいの墓で、ぼかぼかと火が立つのが見えたという。皆を起こして見に行き、語り手も子供のときに見た。小雨の降った夜だった。すぐそばに住むトシさんは、モエカビなどあるものか、人を怖がらせようとしてそんなことを言うのだと怒ったが、確かに小雨が降るとあるのだという。モエカビは隣が燃えるものだと解された。戸川でも、家が燃えたのをモエカビと言ったと伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
秦野市史 別巻 民俗編――伝説・妖怪(秦野市(編)・秦野市史・自治体史(民俗))
『秦野市史 別巻 民俗編』所収の妖怪・伝説(一〇〇話を七分類で収載)。神奈川県秦野市に伝わる口承を採録する。