大天狗滝で昼寝していた大蛇
どんな伝承か
八沢には大小の滝が多く、なかでも大天狗滝・小天狗滝・笹滝と呼ばれる三つが並んで落ちる場所があった。その大天狗滝には一匹の大蛇が棲みついていたという。ある日、血気盛んな若者が草刈りに出かけると、大きないびきが聞こえてくる。音のするほうへ寄ってみれば、大蛇が昼寝の最中だった。若者が生け捕りにして家へ持ち帰ろうとすると、大蛇は隣の小天狗滝へ向かって「おれは捕われていくぞ」と叫んだ。蛇にも仲間がいるのかと驚いた若者は、そのまま逃がしてやったという。この滝は雨乞いの場でもあったと伝えられる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
秦野市史 別巻 民俗編――伝説・妖怪(秦野市(編)・秦野市史・自治体史(民俗))
『秦野市史 別巻 民俗編』所収の妖怪・伝説(一〇〇話を七分類で収載)。神奈川県秦野市に伝わる口承を採録する。