御堂を壊した跡に起きる祟り
どんな伝承か
東秦野村の農業協同組合が建っている土地を、すわの森と呼んでいる。古い言い伝えでは、ここには寂しい杜があり、夜道を女や子供が通ることはめったになかった。杜の中には御堂が一つあったが、それが取り壊されて以後、そこに住む人には必ず何か災いが起きるといわれてきた。いまは組合の事務所が建っているが、それは供養を尽くした結果だとされる。また、下駄工場の裏手から金目川へ下る坂道の土手には、ごくありふれた形の石塔が立っている。この地は道路を切り開いたとき、古代の住居跡と古い甕が掘り出された場所だという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
秦野市史 別巻 民俗編――伝説・妖怪(秦野市(編)・秦野市史)
『秦野市史 別巻 民俗編――伝説・妖怪』は、神奈川県秦野市の市史のうち、民俗編の口承の部分を収めたものである。前半には市内で聞き取った動物・神仏・妖怪・人や村に関する話を地区名とともに載せ、河童やセンタク婆さん、グアン婆さんなどの妖怪譚を含む。後半の第四節「伝説」は一テーマ一話の方針で百話を採り、動物・植物、水、石・岩、山・坂・道・畑、塚、祠堂、家・村の七つに分け、既刊の類話を〔文献〕として要約して添える。