草鞋を奉納する深山の足尾山碑
どんな伝承か
白鷹町大字深山には、国指定の重要文化財である観音寺観音堂、通称深山観音がある。その境内には石碑が多く、なかに足尾山と刻まれた珍しい碑がある。足尾山は茨城県の筑波山塊にあり、新治郡八郷町と真壁郡真壁町の境をなす標高六二八メートルの山で、そこに足王さまと呼ばれる足尾神社の奥の院がある。足の病に悩む人や足を強くしたい人が草鞋を奉納して祈願するのだという。深山観音堂の参道入口にある足尾山碑にも草鞋が奉納されており、今も年寄りたちが参拝している。碑には講中十二人と刻まれ、当時は講の組織があったものかと記されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
置賜の庶民生活2(民間信仰)――俗信・ワカ・死霊(置賜民俗学会ほか・置賜の庶民生活)
『置賜の庶民生活2(民間信仰)――俗信・ワカ・死霊』は、置賜地方の民間信仰を、奥村幸雄・武田正らが項目ごとに分担して書いた民俗誌である。人の一生や食物・病気の禁忌、天気占い・作占い・予兆とまじない、ワカ(巫女)、病を治す薬師・道祖神・地蔵、死霊と魂招び・死水の習俗を、古老からの聞き書きや薬の書付を交えて記す。「禁忌・卜占・予兆」「生活の中の神々」「死霊」などの部に分け、項の末尾に執筆者名を記す。