苗を補ってくれる田植地蔵
どんな伝承か
田植えはその年の雪や雨の模様、苗の生育の状況に影響を受ける。いざ田植が始まると猫の手も借りたいほどに多忙になる。苗が不足しないようにと、四月二十九日の春まつりに参詣すれば、苗が不足しても地蔵さまが何とか補ってくれるという。この田植地蔵は米沢市万世の普門寺の境内に建てられている。その信仰がいつしか広まって、田植前には米沢周辺の農家の人々の参詣で賑わう。秋は餅を搗いて参詣者に振る舞われ、いつしか、田植の手不足には娘の姿で地蔵さまが現れて手伝いをしてくれるという話も広まっている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
置賜の庶民生活2(民間信仰)――俗信・ワカ・死霊(置賜民俗学会ほか・置賜の庶民生活)
『置賜の庶民生活2(民間信仰)――俗信・ワカ・死霊』は、置賜地方の民間信仰を、奥村幸雄・武田正らが項目ごとに分担して書いた民俗誌である。人の一生や食物・病気の禁忌、天気占い・作占い・予兆とまじない、ワカ(巫女)、病を治す薬師・道祖神・地蔵、死霊と魂招び・死水の習俗を、古老からの聞き書きや薬の書付を交えて記す。「禁忌・卜占・予兆」「生活の中の神々」「死霊」などの部に分け、項の末尾に執筆者名を記す。