笹で目を突いた古井の神と野笹
どんな伝承か
古井の野笹には、昔、片方の目が小さい人が多かった。古井神社の神が村の家々を回って暮らしぶりを見ていたとき、ある家から赤子の泣き声がするので、どんな子かとのぞき込んだはずみに、家の周りに茂っていた笹の葉で目を突いてしまった。それからというもの、神は笹に囲まれた家に生まれる赤子の目を、片方だけ小さくするようになったという。人々は争うように家の周りの笹を刈り払い、いまでは野笹という地名だけが残った。
原典より
神さまはそれからのち、笹がまわりに茂っている家で生まれる赤ちゃんの目を、片方ちいさくしてしまうようになったという。—— 美濃加茂市史 民俗編――伝説(美濃加茂市(編)・美濃加茂市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
美濃加茂市史 民俗編――伝説(美濃加茂市(編)・美濃加茂市史)
『美濃加茂市史 民俗編――伝説』は、美濃加茂市の市史民俗編のうち、第一三章「俗信」と、第一四章「伝説 昔話 世間話」の総説および第二節「伝説」を収めたものである。天候・農事・人事にかかわることわざと俗信、民間療法、樹木の禁忌を挙げたうえで、伊深・蜂屋・太田・三和など市内各地区に伝わる三度栗、龍宮さまの淵、火塚、山男、かぶと淵などの伝説六十四話を記す。昔話・世間話の節は含まず、伝説の多くは題に伝承地区の名を添える。