命の泉を汲んだ末弟の三人兄弟譚
どんな伝承か
本編に「命の泉」と題された話は、三人兄弟譚に属する。爺の病に効くという命の泉の霊水を汲みに行くが、末弟だけがそれに成功する。ところが帰る途中で兄たちの奸計により瓶の水をすり換えられ、末弟は家から放逐されるが、最後には兄たちを退けて大尽の家に婿入りするという筋である。三人兄弟譚には盗人型に属する「ものいうふくべ」もあるが、この話はなら梨とり型によく似ており、さらに結末を発展させている。グリムの「命の水」とも共通点が多く、採集例の希れな話とされる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
船引町史 民俗編――昔話と伝説(船引町(編)・船引町史・自治体史(民俗))
『船引町史 民俗編』第十一章所収の昔話と伝説。福島県船引町(現田村市)に伝わる口承を採録する。